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天体望遠鏡の選び方 [倍率による見え方]
対物レンズと有効径(口径)と倍率の関係です。尚、空の暗さや状態により天体の見え方は大きく変わりますので、おおよその目安としてください。
■月
最も見やすい天体ですので、最初に観測するのに最適です。50倍で月全体が視野いっぱいに見えます。
| 低倍率(30倍〜70倍) | 中倍率(70倍〜140倍) | 高倍率(140倍以上) | |
| 〜60mm | 月全体が見られる | 無数のクレーターや海の表面の形状が見える | シーイングの良い時にのみ使用する |
| 80mm | 月全体がはっきり見られる | クレーターの状態や山ひだがはっきり見える | 月面の1/2が視野いっぱいになる |
| 100mm | 同上 | 小クレーターの観察が可能 | 多くの裂け目や山々の詳細がわかる |
| 150mm〜 | 同上 | 小クレータの詳細が観察可能 | 小さな起状及び裂け目の詳細がわかる |
■土星
100倍程度で環がよくわかります。詳しく見たい場合は200倍〜250倍にして見ましょう
| 低倍率(30倍〜70倍) | 中倍率(70倍〜140倍) | 高倍率(140倍以上) | |
| 〜60mm | 全体の姿がこじんまりと見える | 環及び衛星タイタンが見やすくなる | 本体の縞模様が見えることがある |
| 〜80mm | 望遠鏡に導入するときに主として使う | 本体の縞模様・環の濃炎・カッシーニ溝がわかる(カッシーニ溝=環の外側と中側の間にある隙間) | スケッチの時は、150倍以上が見やすくなる |
| 〜100mm | 同上 | 同上 衛星が2個見える | 本体の縞模様が見え3つにわかれて見える(土星の環は3つにわかれている) |
| 150mm〜 | 同上 | 同上 衛星が5個見える | 本体の縞模様が見え最外環がはっきりする |
■木星
80倍程度から数本の縞模様が見えます。本体が明るいため、300倍程度の高倍率での観測もできます。
| 低倍率(30倍〜70倍) | 中倍率(70倍〜140倍) | 高倍率(140倍以上) | |
| 〜60mm | 4つの衛星の位置観測に適す | 衛星の食・縞模様(2〜3本)が見えやすくなる | シーイングの良い時にのみ使用する |
| 〜80mm | 同上 | 縞のおおよその構造がわかる | スケッチの時は、150倍以上が見やすくなる |
| 〜100mm | 同上 | 縞の構造の細部がわかる | スケッチの時は、200倍以上が見やすくなる |
| 150mm〜 | 明るすぎるため不適切 | 4つの衛星の位置観測に適す | 縞の微細構造、変化が観測できる |
■金星・水星
入門機クラスの天体望遠鏡で観測できます。
※水星は日の出前日の入り後のわずかな時間しか観測することができない天体です。
※写真は金星です。
| 低倍率(30倍〜70倍) | 中倍率(70倍〜140倍) | 高倍率(140倍以上) | |
| 〜60mm | 望遠鏡に導入するときに主として使う | ・満ち欠けや大きさの変化がわかる/金星 ・最大離角の頃、半月のように見える/水星 |
・シーイングの良い時見やすくなる/金星 ・不適切(過剰倍率のため)/水星 |
| 〜80mm | 同上 | 同上 | 高度が高い時には見やすくなる。 |
| 〜100mm | 同上 | シーイングの悪いときに仕用 | ・先端の光輝や白斑・濃炎が見える/金星 ・形の変化を追いやすくする/水星 |
| 150mm〜 | 同上 | 同上 | ・同上/金星 ・表面の淡い模様が時がある/水星 |
■火星
見える時期・年により見え方が大きく変わりますが、2年2ヶ月ごとの観測好時期には表面の模様や極冠を見ることができます。
| 低倍率(30倍〜70倍) | 中倍率(70倍〜140倍) | 高倍率(140倍以上) | |
| 〜60mm | 望遠鏡に導入するときに主として使う | 大接近の時、大シルチス、極冠が見える | 空の条件が良いときは見やすくなる |
| 〜80mm | 同上 | 極冠や、薄暗い模様がいくつか見える | スケッチをする時は、150倍以上が見やすい |
| 〜100mm | 同上 | シーイングの悪い時のみに仕用 | 接近の時は、種々の模様が見える |
| 150mm〜 | 同上 | 同上 | 200倍以上で、種々の模様が確認できる |
■星雲・星団
ほとんどのものが50倍以下の倍率での観測が適しています。アンドロメダ大星雲・オリオン星雲などは20倍〜30倍での観測が適しています。鏡筒のレンズ口径が大きいほど明るくよく見えます。
※写真はアンドロメダ大星雲です。
■重星・変光星・彗星
その他数多くの天体が入門機クラスの天体望遠鏡観測できます。彗星は、太陽から遠いときは暗くて見えませんが、太陽が近づくにつれて星雲のような広がりを持ったものに見えてきます。
※写真は百武彗星です。
■太陽
天体望遠鏡で直接太陽を見てはいけません。太陽の観測には太陽投影板を使用してください。なお、太陽投影板による太陽の観測は屈折式鏡筒で可能です。反射式、カタディオプトリック式ではできません。
肉眼で観測したときの「1/倍率」の距離まで近づいたのと同じ大きさで見られることを意味します。なお、天体望遠鏡の倍率は、接眼レンズやバローレンズによって変えることができます。
高倍率=高性能ではありません
倍率がすべてではありません!むやみに倍率だけを高くしても、像はぼやけて大きくなるだけです。
望遠鏡で出せる最高倍率は、対物レンズ(主鏡)有効径mm数の2.5倍くらいまでです。それ以上倍率を高くしても像は暗くぼやけて大きくなるだけです。適正な倍率で見るようにしましょう。
例:口径80mmであれば80×2.5=200倍 200倍くらいまでが適正ということになります。

適正な倍率で見た時

倍率を高くし過ぎて見た時(過剰倍率)
対物レンズ(屈折式)、対物主鏡(反射、カタディオプトリック式)有効部分の直径です。 有効径が大きくなるほど集光力がアップし、明るくシャープな像で星をとらえることができます。星雲や星団などの暗い天体を見る際は、特に大きな威力を発揮します。
対物レンズや主鏡の直径が大きいほど天体望遠鏡の光学性能はよくなり、上の写真のように大口径ほどシャープに明るく見えます。同じ天体でも明るく見えるということは、光を集める能力が高くて、暗い星まで見えることになります。

大口径で倍率を大きくした時

小口径で倍率を大きくした時







